【⭐️3】浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学

浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学青柳碧人 作:講談社文庫 2012/6/15(個人的評価:⭐️⭐️⭐️☆☆)


 少年犯罪の元凶として義務教育から数学が排斥された日本。

 数学教育の地位向上を謳い活動するテロ組織【黒い三角定規】、そのアジトと目されるアロマキャンドル専門店で発見された黒いUSBメモリが警視庁対策本部に届けられた。

 調査のため対策本部にある1台のパソコンに差し込んだところ、ウイルスプログラムが作動、出題された数学問題を時間内に解けないと警察のコンピューターシステムが破壊されるというのだが──【黒い三角定規】と浜村渚(はまむら なぎさ)の戦いを描くシリーズ3作目で、短編4話とエピローグからなるオムニバス。


 本作の語り部であり、警視庁『黒い三角定規・特別対策本部』に所属する刑事・武藤龍之介(むとう りゅうのすけ)にようやく見せ場らしい見せ場が設けられた3作目。

 ……とはいえ、同じく対策本部に所属する若手刑事・瀬島直樹(せじま なおき)と大山(おおやま)あずさに相変わらず大した見せ場もない(どころか、瀬島はトラブルメーカーまである)のは如何とも。全国各地の銘菓を貪り食うばかりの大山も、まあそれはそれでどうかとは思いますけど、それ以上に、仕事しないどころか面倒事ばかり起こすのに居丈高な瀬島の存在が不快でしかないのですが、ヘイト集めるだけなこのキャラ、本作に要ります……?

 創作における憎まれ役の存在、その必要性自体は決して否定しませんけど、本作においてこのポジション(主人公側の身内)にこの役割のキャラが果たして必要なのか、自分にはいまいちピンと来ないんですよね😓 渚の有能振りを引き立てる為だけに存在しているのだとしたら、尚更。


 さておき、内容の方は数学の専門的な話も難解な域に達してきて、特に某キャラの数学トークが一体何を言っているのか意味不明過ぎて頭上に「?」が回りっぱなし。分からないなら分からないなりに、専門用語なりを調べながら読めば良いのですけど──そこに労力を割いてまで深く読み込もうとは(元より数学大の苦手なこともあり)自分は思えないかな。

 また、4話に登場した『どさんこFBI(と、ラベンダー隊)』の存在には唖然としましたけれども、ここまでくると「本シリーズはシリアスに読もうとしては駄目なんだな」と、ある種の悟りというか、ようやくこのノリも割り切れるようになってきたかなと。明らかイロモノっぽいのに漢前で良い人過ぎる牛河原(うしがわら)警部の存在が魅力的過ぎて何か悔しい😂

 何だかんだ、1話1話はコンパクトに纏まってて読みやすいから、つい読んでしまうんですよね😅(ただ、恋愛脳しか登場しない2話は流石にキツかった……)


⚠️以下、ネタバレ注意⚠️

 ただ、4話のクライマックスは不納得感ましまし🤢

 仮にも『リチャードソンの悪夢』で函館が害されるのを嫌ったキューティー・オイラーが、五稜郭の一隅に駐車された牛河原警部のキャデラックを爆破するとは(五稜郭に被害が及ぶ可能性を鑑みると)考えにくいし、大体、武藤、お前携帯持ってないんか? と(その場ですぐ電話を掛けるも通じなかったから、オイラーの捕獲を諦め五稜郭に引き返すしかなかった、とかならともかく)

 あそこの展開には「いや、何故そうなるん?」と正直、鼻白んでしまいました。

 前巻でも折角捕まえたオイラーにまんまと逃げられるしで、ほんま本シリーズの警察組無能過ぎんか……。

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