【⭐️3】異聞フラグメント 切断
【異聞フラグメント 切断】松村進吉 著:竹書房文庫 2011/1/1(個人的評価:⭐️⭐️⭐️☆☆)
日本中から蒐集された恐怖体験談集。
実話に基づく内容のため、オチが無かったり真相不明なままの話も多々。
個人的には『宇宙人』『口約束』『今なら、あなたと』あたりが印象深かったか。『口約束』に関しては、話者に同情の余地無しという突っ込み的な意味合いで。(口約束だろうが何だろうが、自分からした約束なのだからちゃんと守りましょう)
何より、実は一番興味を引かれたのは「そろそろ辛くなってきた」という書き出しから始まる『あとがき』だったかも。
自分自身は零感体質ですが、それでも就寝時に金縛りとか幻聴の経験はまあまああって──もっとも、就寝前に意識が散漫になるくらい体調がすこぶる悪かっただとか、もの凄く陰惨な内容のゲームをやり精神的にかなり参ってた等、そうなる原因に大体は心当たりがあるので、怪異現象と結び付けてはいませんけれども。
そんな自分でもやはり、そういう経験をすると(自分のは心霊体験ではないだろうと思っていても)数日間は自分の背後を常に気にするような落ち着かない気持ちに苛まれるので、ましてや全国各地から数多の怪異譚を一身に引き受け内容を咀嚼し本に編む作業を積み重ねる筆者にしてみれば、それはもう精神的疲弊、摩耗はとんでもないものなのだろうと。
少し前に同じような主旨の本を読んだ際、そちらの筆者は趣味の一環として楽しげ(?)に取材していた印象を受けたので、無意識に「怪異譚を蒐集する人はオカルト大好き」と思い込んでいたのか、そういう意味でも、この著者の本音(命を摩耗しつつ本を編む)は凄く意外に感じました。
ただ、人智を越えた領域その一端にでも触れようとする人は、これくらいの警戒心・危機感を持っているくらいが良いとも思う。
面白半分に心霊スポットへ足を運び肝試ししてみたり、私欲で安易に氏神様に願掛けとかしちゃ駄目ですよ、本当に。