【⭐️2】変な家
【変な家】雨穴 作:飛鳥新社 2021/7/27(個人的評価:⭐️⭐️☆☆☆)
オカルト専門のフリーライターである著者に、知人からある相談が持ち掛けられる。それは「近々第一子が産まれるのを機に人生初の一軒家を買う決心をし、内見で夫婦ともども好感を持った物件を見つけたものの、間取りを見ると、どうにも不可解な点があり不気味だ」というものだった。
建築関係にはとんと疎いという著者は、大手建設事務所に勤める設計士・栗原に協力を仰ぐ。その栗原が不自然な間取り図から推測したのは、想像を絶する恐るべき真実だった──というお話。
不自然な間取り図から『変な家』の謎を読み解く、という新感覚のミステリー。
ミステリー小説では往々にして間取り図や見取り図が用いられますが(そして割と自分はこれらをほぼスルーする派)これほどまでに頻繁に図解が差し挟まれる作品は珍しいのでは。
自分がこういった情報をスルーしがちなのは「何度も間取り図/見取り図の頁に戻り見直すのが面倒くさい」というのもあったので、本作のように、必要な時(頁)に都度図解が掲載されているのは、とても読みやすく大変有難かった。
しかして、本編約240頁と比較的薄い上、ふんだんに掲載されている図解と行間たっぷりの文章のおかげで1頁当たりの文字数もとても少なく、短い時間でサクッと読めるお手軽さをして良しとするか否か。
他方、『ホラーやミステリーの愛好家』という設定を鑑みても、栗原の推理が突拍子もなさすぎて序盤からリアリティに欠ける印象……と思いきや、
⚠️以下、ネタバレ注意⚠️
実はほぼ真相を言い当てていた──というのは、さすがに話の展開がご都合主義的過ぎやしないか、という印象。数多推理した内のひとつがたまたま真相を言い当てていた、ならまだしも、栗原のぶっ飛んだ推測がピンポイントに真相を言い当てていた、というのはあまりに都合が良すぎる。レビューの中には「栗原がこの筋書きを書いたのでは」と黒幕説(?)を唱える人すらいたほどでしたが、そういう考察が出てくるのもさもありなん。
ともあれ、さくさく手軽に読めはするものの、『間取り図から真実を読み解く新感覚ミステリー』という斬新さだけで勝負に出た、という印象というか。
読み終えてみると、展開の意外性(※ただし、本作においてはおおよそ肩透かしなどの悪い意味で)だったりオカルト風味だったり後味の悪さだったりとミステリー最低限のツボは押さえてあるものの、イコール面白いと言える作品だったのか? と問われると何とも。
ストーリーの練り込みも甘いし登場人物や設定などにも深みはないし、とにかく無味無臭。コンセプトがユニークなだけに、本当にもったいない。
にしても清吉、自身も妾の子として辛酸を嘗めたはずなのに、自らも数多の女性と関わり多くの子孫を残し結果、泥沼の相続争いを引き起こすとか何故……? と思ったんだけども、血は争えないというか歴史は繰り返す、って事……なんですか、ね……?
学習しなさいよ、と自分なんかは突っ込まずにはおれませんでしたが。はてさて。