【⭐️4】晴れ時々、食品サンプル(ほしがり探偵ユリオ)
【晴れ時々、食品サンプル(ほしがり探偵ユリオ)】青柳碧人 作:創元推理文庫 2018/7/13(個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️☆)
大学卒業後、大手の家電メーカーに一度は就職するも、セクハラ上司に楯突き勢い退職してしまった深町(ふかまち)さくらは、両親の勧めで兄・ユリオと同居することになる。
フリーライターとして活動する傍ら《ほしがり堂》という古物商も営むユリオは、ガラクタとしか思えないようなモノを欲しがるマニアックなコレクターとして全国各地を駆け巡り、さくらはその運転手として方々連れ回されていた。
ある日、ユリオの高校時代の同級生から「亡父のカウボーイグッズを格安で譲りたい」との連絡を受けた深町兄妹は、その出張先で事件に巻き込まれてしまう。
森の小道に倒れ絶命していたカウボーイ姿の男性。
一見、足を滑らせ倒れた際、運悪く頭部を石に打ち付けたことによる不幸な事故死かと思われたが、検視官が「2メートルくらいの高所からの落下、馬もいないのに、まるで落馬死のようだ」と見立てた事で一転、不穏な様相を呈し始め──というお話から始まる、全5話構成のオムニバス。
探偵役でもあるユリオはかなり癖の強いキャラなので、ここはちょっと好みが分かれるところかナーという印象を受けましたけれども(自分も最初は正直苦手でしたが、読み進める内に慣れちゃいました😅)先に読了した同作者作3冊同様、短編集ということで中弛みせずさくさくテンポよく読めるのが大変有難い。
他方、地の文は妹・さくら視点(一人称視点)──かと思いきや、時折別視点(三人称一元視点だったり神の視点だったり)が混在しているかのような言い回しも散見され、やや混乱する部分も無きにしも?
他作品では感じなかった違和感ですし、かといってデビュー初期の作品という訳でもなさそうですし……うーん、謎!
ともあれ、5話すべてが雰囲気の異なる作品ですし、ちょっとした雑学なども有りで飽きさせない1冊。日本のリコーダー教育その源流はそこにあったのか……!