【⭐️2】インサイド・フェイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻

インサイド・フェイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻佐藤青南 作:宝島社文庫『このミス』大賞シリーズ 2015/4/4(個人的評価:⭐️⭐️☆☆☆)


 自供率100%を誇る凄腕捜査官・エンマ様こと楯岡絵麻(たておか えま)が、行動心理学を駆使し難事件を解決してゆくシリーズ3作目。

 4つの短編からなる連作ミステリーで、1話2話でジャブを打ちつつ4話跨いでひとつの大きな事件その真相を暴いてゆく構成も前作通り。

 しかし、どの事件も現実味に欠けるというか、実際に起こり得るのか? という違和感は拭えないかなぁ……いえ、フィクションなんだからリアリティに殊更拘る必要は無いといえば、まあ無いのですけど。


 それはさておき、本シリーズ──と言っても自分が読んだのはまだ2作目・3作目の2冊のみですが──最初から終始無双状態の楯岡ばかり存在感を放っていて、部下の西野は脳天気でぽんこつだし、楯岡を敵視する筒井もかませ犬感が凄まじいしで、もうちょっと、こう……ううん、何というか、楯岡以外に有能な刑事を登場させても良いんじゃないですかねぇ、などと。

 現状、楯岡以外まともに仕事できる刑事居なくね? と感じてしまうのは、エリート揃い(のはずの)捜査一課を取り扱うにしては如何なものか、と思わないでもないというか。あるキャラ(本作でいうところの楯岡)の有能振りを引き立てるべく周囲を凡愚で固めるというのも、引き立て役が不憫に思えて仕方ないし(特に本作は筒井の扱いが酷すぎた感)

 楯岡ばりにずば抜けた有能ぶりでなくとも、せめて周囲も最低限刑事としての仕事が全うできる人材を集めて欲しいかなと。筒井みたいな取調官ばかりだと免罪産み出しまくりでしょうよ……。


 そんなこんなで、1~3話で西野のぽんこつぶりと筒井のかませ犬ぶりを描写しつつ、4話でちょっとだけ彼らの見せ場を作るのは最早、水戸黄門様のこの紋所が目に入らぬか的お約束の流れなのかな、と思いつつ、これをカタルシスととるかマンネリとするかは悩ましいところ。

 にしても、


⚠️以下、ネタバレ注意⚠️

 4話での西野の負傷、せめて楯岡を庇い銃弾を受けた──とかならまだ格好がついたでしょうに、西野は本当に西野だなぁとおもいました(感想)

 一応、楯岡が残したメッセージを西岡が読み解いたからこそ犯人を追い詰められた、という展開ではありましたけど、普段から察しが悪くガタイが良い以外これといって特筆すべき能力も見当たらない西野が突然覚醒した感否めず、折角の見せ場とはいえ、これはこれでどうなんだという😓

 失礼ながら、西野は頭を使うより体を張るイメージの方が強いから、犯人の凶弾から楯岡を身を挺して庇う、みたいな活躍がやはり一番しっくり来る気がするなぁ。

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