【⭐️3】グレイヴディッガー

グレイヴディッガー高野和明 作・講談社文庫 2005/06/15(個人的評価:⭐️⭐️⭐️☆☆)


 ケチな悪党の八神は、堕落しきった己の人生に区切りを付けようと骨髄ドナーとなり移植手術に臨もうとしていた。しかし手術を目前に控え、都内各所で発生した連続猟奇殺人事件に巻き込まれてしまう。

 事件の最重要参考人として警察に追われ、謎の集団からも追い回され、果てはイングランド伝承をなぞらえた墓掘人(グレイヴディッガー)なる殺人鬼の気配にまで付きまとわれる──果たして八神は無事、骨髄を提供することができるのか? というお話。


 被害者の状況が非常に悲惨だったり社会の暗部を描いていたりと、かなりヘヴィな内容にも関わらず、主人公・八神のノリがかなり軽いというかコメディリリーフ的な立ち位置で、うーん……そこを「八神の存在が一服の清涼剤となっている」と見るのか、「シリアスな話の中でコメディパートが浮いている」と見るのか、ちょっと賛否分かれそうな印象……ではありますか、ね……?


⚠️以下、ネタバレ注意⚠️

 にしても、この作家さんは大体オカルトなオチに帰結される方なのかしら?

 同作者【踏切の幽霊】はタイトルからしてそうだろうと察せられましたけど、まさか本作も「最終的には幽霊が怨念で悪人をやっつけましたとさ(チャンチャン)」なオチになるとは思わなかったなぁ……(白目)

 まあ、あの流れで堂本と三沢に引導を渡すには、どうやっても超常的な力を持ち出すより他になさそうではありましたが──ただ、あんまりこういうオチにばかり頼ってしまうと『何でもアリ』になっちゃうし。


 13階段だったか、巻末解説をチラと読んだところによると、この作家さん、結構風水だの何だのを信じる方だそうで(応募する新人賞も風水に導き出された方角から決めたのだとか)──或いはひょっとして『視える』方……だったり、する……?


 ともあれ、様々な話がごちゃっと同時進行してゆくので多少とっちらかってる印象はありつつも、それ故に先が読めずジェットコースターのようなスリル的楽しみ方はあったかなと。

 ただ、西川と三沢の件だけは、何というか……三沢がウィザードだと判明した時点で、剣崎と古寺がすぐにでも西川の保護に向かわなかったのだけは納得できなかったかなぁと。いやめっちゃピンチですよ西川さん助けにいかんの!? みたいな……!

 最後の最後まで西川がどうなったか明かされなかったので、或いは上手いこと立ち回り(ウィザードの魔の手から逃げおおせ)何なら決定的な証拠を掴んで鮮やかに生還──などと期待したのに、あっさり殺されてたってのは……うううううんん!!

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