【⭐️2】聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた
【聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた】井上真偽 作・講談社文庫 2018/07/13(個人的評価:⭐️⭐️☆☆☆)
という訳で、先に触れた【その可能性はすでに考えた】の続編も早速読了。
前作の、次々放たれる刺客(?)との推理対決云番勝負──というようなバトル系少年漫画よろしい内容からは打って変わり、オカルトじみた第一部は(前作に比べれば)比較的自然なストーリー運びというか、ミステリーの王道的な雰囲気満載。
望まぬ婚姻に幾度となく自死を試みるも、結局踏み切れなかった花嫁が婚礼の儀にいざ挑むや、新郎新婦親族の男衆ばかり3名が命を落とす殺人事件発生。
花嫁が自死のため婚家に持ち込んだ砒素が凶器であったが、厳重に保管されていたはずの砒素を一体誰が持ち出し犯行に及んだのか──婚礼の儀に参加した者にはどうやっても犯行不可と思われる状況に、いよいよ里に伝わる聖女・カズミ様の祟りなのか? という非現実的な疑惑まで浮上するが──というお話。
今回、物語前半を牽引するは、作中『名探偵コナン君』と揶揄される天才小学生探偵・八ツ星聯(やつほし れん)。
……と、その設定からしてもう突飛というか現実離れ甚だしいのですけど、もうこのシリーズはそういう方面に敢えて振り切った作品なのだろう、と割り切る事にして。
⚠️以下、ネタバレ注意⚠️
犯人を突き止めるはずの推理が、作品の方向性上、『奇蹟(不可能犯罪)の証明』という目的にいつの間にかすり替わっているからか、なんとも言えない不完全燃焼感というか論点の微妙なズレみたいな違和感にもやもやを感じてしまうのは前作同様。
更に、第一部はまだミステリーもの(ほんのりオカルト風味)として雰囲気ばっちりに読み進められていたのが、一転、第二部で又もやトンデモ展開になり困惑しきり。
これはもう、シリアスに読んではならない類いの作品なんですね、きっと😅
で、なんやかや最後まで読み進め、ようやく辿り着いた真相も「えっ、あんだけくどくど推理を重ねても真相に辿り着けなかったのに、分かってみればそんな単純な話だった、の……?(白目)」という呆気なさで、うーん、何だかなぁ💦
登場人物の造形や言動がやたらめったら滑稽で冗談めいている点に慣れれば、例えば姚扶琳(ヤオ・フーリン)なんかはかなり面白みのあるキャラだと思うのですけど──内容はともかく、そんなキャラの魅力でなんとなく読ませてしまう、案外、力技のシリーズなのかもしれませ、ん……?
最も、3作目が発表されたとして、読みたいと思えるかは微妙かなとも。
本シリーズはデビューから間もない作品で、片や自分が絶賛する【アリアドネの声】がごく最近の作品と思えば、今現在の筆力で本シリーズ新作を手掛けられたら又違った印象を受けるのかも? という気もしますけど😅 はてさて。