【⭐️4】白医
【白医】下村敦史 作・講談社文庫 2024/04/12(個人的評価:⭐️⭐️⭐️⭐️☆)
先般読了した【絶声】が可も不可も無い印象で何とも掴み所が無かったものの、同作者他作品を調べたところ、作品によってかなり評価が分かれる作家さんらしいぞと判明、特に評価が高かったこちらを手に取ってみました。
ホスピスで起きた3件の不審死。
安楽死措置による自殺幇助を疑われた神崎医師は、法廷でも頑なに沈黙を守り何も話そうとしないが──というお話。
全6話からなる連作で、ミステリーというより社会派色が強い内容。
緩和ケアの在り方・終末期医療の限界と患者や家族らの苦悩・終末期鎮静と安楽死は何が違うのか? 苦痛のあまり死による解放を望む患者、その思いを聞き届けることは果たして単なる殺人行為なのか、それとも慈悲なのか? 等々──
何より、安楽死合法化を望む人間のひとりとして、奇しくも先の【13階段】同様、『安楽死をもたらす側』の苦悩や葛藤に焦点が当てられた内容には唸るしかありませんでした。
どんなに本人が望み安らかに逝けることへの感謝を伝えたとしても、手を下す側にとっては殺人という、一生背負う罪の意識でしかないんですよね……ううん。
自分も年齢的に、身内や自身の身の処し方において考え始めなければならない話とあって、他人事には思えませんでした。