【⭐️2】叛逆航路
【叛逆航路】アン・レッキー 作/赤尾秀子 訳:創元SF文庫 2015/11/20(個人的評価:⭐️⭐️☆☆☆)
星間国家ラドチ擁する宇宙戦艦〈トーレンの正義〉そのAIであり、その人格を四千人の肉体に転写し共有する生体兵器〈属躰(アンシラリー)〉を操る〈わたし〉は、十九年前、任務中に裏切りに逢い艦と大切な人を失った。
ただひとり生き延びた属躰の〈わたし〉は復讐を誓うが──というお話。
開幕から固有名詞や専門用語が何の説明もなく入り乱れ(※本編を読み終えた後に、巻末に用語解説が掲載されていたことに気付き、徒労感に思わず溜息。ネタバレを忌避する人はまず最初に巻末を開かないと思うのだが)、しかも、ラドチャーイ(ラドチ圏の住民のこと)は性別を区別しないという設定から作中の人称代名詞が全て女性形(彼女/母・娘/姉・妹など)となっており、登場人物名が独特過ぎてその音の響きから男女の区別が難しい事も相まって、イメージ構築を一層困難なものにさせている、という印象。
せめて、その人物が男性と確定した時点で「彼」「兄」と呼称を男性形にシフトしてくれればまだしも、終始一貫女性形で表記されるため、しばしば頭が混乱する。
ジェンダー的な配慮だとしても、作品の可読性を犠牲にして──少なくとも、足を引っ張ることはあっても、作品の面白さの手助けにはなっていないと個人的には感じた──まで取り入れるべき設定/表現だったのかは甚だ疑問。
また、約470頁にも及ぶ本編のほとんどが会話劇であり、意味不明な専門用語と難解な世界観、章ごとに前後する時代設定に振り回され、曖昧な理解のまま300頁近くまで読み進めないと物語が動き出さず、レビューサイトなどでは「16章(300頁あたり)以降から加速度的に面白くなる」と好意的な感想も見受けられるも、個人的には最後まで不完全燃焼というか、終始盛り上がりに欠け肩透かしを食らった気分。
どうやら本作、3部作の1作目ということらしいですが、それにしても前振りが長すぎやしないかと。
一応、続編【亡霊星域】も図書館で借りてきているのですけど、既に読破できる気がしない……。